子宮外妊娠だと診断され、緊急入院した日の日記です。
正常妊娠だと思い込んでいた私は、頭がパニックになりました。
今日は母子手帳を持って帰るつもりだったのに…。
»【体験談】子宮外妊娠では検査薬陽性?エコーを受けて夢が壊れる
この経験をもとに書いています
- 当時27歳、はじめての妊娠で子宮外妊娠になる
- 生理が遅れて16日目に倒れ、死にかける
- おなかの出血量は1600gで、輸血寸前でした
もくじ
子宮外妊娠かどうか、入院前の検査
紹介状を出してもらい、婦人科から総合病院へ移動。大泣きしていると夫が駆けつけてくれました。
「妊娠の報告をする予定が、手術なんて…」
「せっかく赤ちゃんができたと思ったのに…」
涙の止まらない私の背中をさすってくれ、「なにかの間違いだよ。ここでちゃんと診てもらおう」と言ってくれました。
病院の受付で紹介状を出すと、車椅子に乗せられて産科まで移動しました。
からだに負担をかけないようにと看護師さんに言われ、私って重症なんだ…と、ここで気付きました。
総合病院でもう一度検査
夫と診察を待つあいだ、おなかの大きな妊婦さんが幸せそうに受診していきます。
それを見ないように、自分のことが何かの間違いであることを祈り続けました。
511番と私の番号の呼び出しがあり、夫と一緒に診察室へ入りました。
ベテランそうな女性が座っていて、「急にこんなところに呼ばれてびっくりしたよね?もう一度診てみるからね」とやさしく声をかけてくれました。
しかし簡単な質問を受けエコーで診てもらうと「あぁ、入院だね…」とカーテンの向こうから声が…。
待合室に出ていた夫にどうだった?と聞かれ「入院の単語だけ聞こえたよ」とだけ伝えました。
この時にはもう赤ちゃんはだめなんだ、と確信していました。
子宮外妊娠だと聞かされる
わたしたち夫婦の沈黙が続きふたたび診察室へ入ると、先生が今の状態を説明してくれました。
「残念ながら子宮外妊娠だと思われます。右側の卵管に着床してしまい、このまま赤ちゃんを育てることはできません。
このままではいつか卵管が破裂してしまいます。
ただし手術をしてみないと、子宮外妊娠だと確定できません」と…。
わたしは子宮外妊娠かどうかわからないのに手術するの?どういうこと?と意味が分かりません。
しかし手術以外の選択肢はありませんでした。
「心電図とレントゲンを撮って、病室へ移動してください」そう言われ、泣くのをこらえて従います。
車椅子に乗り、看護師さんに連れられて病室に入りました。
頭が追い付かないなか入院手続きを済ませ、夫には急いでパジャマなど取りに行ってもらいました。
看護師さんには、「手術後に生理が来るからナプキンも持ってきてね」と言われました。
子宮外妊娠の手術前説明を受ける
採血や尿検査等を済ませ、麻酔科の先生から当日の説明を受けました。初めての入院だったので必要なものが分からず、夫とわたしはバタバタとしていました。
手術の同意書にサインをする
主治医の先生に呼ばれ、20分ほど手術の説明を受けました。
現実を受け入れられない私は気分が悪くなり、吐き気が止まらなくなりました。
唇が真っ青になるわたしの顔を見て、看護師さんが冷たい水を持ってきてくれました。
主治医の先生は、まだ気持ちの整理がついてないと思いますが…と気を遣ってゆっくりと説明してくれます。
しかし、一生懸命理解しようとしましたが、頭が追い付きませんでした。
分かったようにうなづいて、細かい内容は夫に任せました。
唯一分かったのは、今手術をしないと私の命が危険だということでした。
手術に同意のサインをし、明日の手術が決定。手術が決まると覚悟ができたのか、不思議と負の感情が減りました。
子宮外妊娠の手術内容
手術名:腹腔鏡下右卵管摘出術
手術は難しくない内容だといわれました。おなかに数カ所1㎝ほどの傷をつけるそうです。
左の卵管の切除するということで、2つあった卵管が1つになってしまいます。
今まであって当たり前だったものが急に取られてしまうなんて、ただただ怖かったです。
でも卵管にいる赤ちゃんを育てることはできない。私の命も危ない。
手術を受ける以外に選択肢にありませんでした。
子宮外妊娠の手術に備える
手術は明日の夕方からに決定。早く終わらせてほしかったけど、ほかにも手術の予定が詰まっているそう。
産科に入院したわたしは、ほかの幸せそうな妊婦さんを見ないように必死でした。
手術前の食事制限
主治医の説明を聞き終え、個室に戻ると夕食が出ました。
手術前で食事の時間には制限があり、ごはんは今晩9時まで、水分は明日の15時までと言われました。
明日はなにも食べられないから今のうちにと思い、完食したと思います。
以前入院経験のある夫は、「手術後はおいしいもの食べられないから、今のうちにお菓子でも食べな!」と言い、私の好きなお菓子をたくさん買ってきてくれました。
自分が子宮外妊娠だということを忘れたくて、無心でお菓子を食べました。
はじめての睡眠薬
明日の手術には家族の立ち合いが必要で、夫には半休取ってもらうことに。
20時をすぎ面会の終了時間がくると夫は「病院に置いていくのは辛い。明日は早めに行くからね。」と言葉を残し、帰っていきました。
夫が帰ったあともおかしを食べ続けました。21時になると消灯時間になり、テレビを消してベッドで横になりました。
しかしこんな早い時間には寝られないし、はじめての手術も怖く寝られません。
ナースコールを押し、生まれてはじめての睡眠薬を飲みました。
静かになった部屋には、ときどき赤ちゃんの泣き声が聞こえました。新生児室が隣でした。
目覚ましを6時にセットすると、睡眠薬の効果が出たのか30分ほどで眠れました。
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